あなたがもしカーリースの利用を考えているのなら、オープンエンド方式・クローズドエンド方式、この2つのキーワードを理解する必要があります。
この記事ではそれぞれのメリットやデメリット、特徴を詳しく説明します。
この2つのキーワードを理解すれば、リーズナブルで合理的なリース契約が選択できるようになります。
カーリースの契約には2種類ある
カーリースの契約には以下の2種類があります。
- オープンエンド方式
- クローズドエンド方式
何がちがうのかというと、
クルマの残価精算の扱いがちがいます。
それぞれメリット・デメリットがあって、どちらの契約パターンを選ぶかによって残価精算の扱いのほか、月々のリース料金、契約するときの注意する点などが変わってきます。
なのでリース契約する上で、どちらの方式を選ぶかはとても大事なポイントです。
そもそも残価とは
残価、正確には残存価格。
シンプルにいえばクルマの査定額とか下取り価格みたいなものです。リース契約をするときに最初に設定されます。
例えば、3年のリース契約なら3年後のクルマの残価を、5年のリース契約なら5年後のクルマの残価を設定します。
要するに3年後、5年後にクルマがいくらで売れるのかを契約する時点で設定するのです。
残価は未来の価格を予想して設定されるので、予想した残価と実際の査定額がズレるなんてこともよくある話。
例えば2023年時点の話をするなら、中古車市場は全体的に価格が上がっています。これはコロナ禍の影響や、国際的な問題が一つの原因だと思います。半導体不足とかよく聞きますよね。
残価精算とは
残価精算とは、予想した残価と実際の査定額のズレを精算することです。
つまりリース契約が終わるときに、初めに設定された残価と実際の査定額との差額を精算するのです。
具体的にいうと、
実際の査定額が予想した残価よりも低かったらお金を追加で支払う必要があります。逆に実際の査定額が予想した残価よりも高かったらキャッシュバックされる場合もあります。
注意したいのは、残価精算と原状回復は意味合いがちがうということ。
現状回復はクルマの価値とか査定額とはまったく別のはなしで、リース契約者が守らなければいけない約束ごとみたいなもの。
例えるなら賃貸マンションを解約するときの原状回復と同じで、借りたものは元通りにして返してね、ということ。
その上で残価精算があるわけです。
オープンエンド方式の特徴
- さいごに残価精算が必要
- 月々のリース料金は低め
オープンエンド方式のリース契約では、リース契約をするときに残価を設定します。
そして、ここが大事なポイントですが、さいごにリース契約者(あなた自身)が残価精算をします。
残価はリース契約者とリース会社との間で設定します。残価はたいてい設定できる範囲が決められているので、その範囲内で自由に残価を設定するわけです。
残価を高く設定すれば、月々のリース料金は低くなります。逆に残価を低く設定すれば月々のリース料金は高くなります。
なので、オープンエンド方式はリース料金は低め、といいましたが正確には低めに設定することができる、ということです。
クローズドエンド方式の特徴
- さいごに残価精算は不要
- 月々のリース料金は高め
クローズドエンド方式のリース契約でもはじめに残価は設定されます。
ただ残価はリース会社が独自に決めるもので、リース契約者には残価がいくらなのかは明らかにされません。
残価がいくらなのか分からないので、リース契約が終わるときの残価精算はもちろんありません。
正確にいうと残価精算はリース会社がやるので、リース契約者はやる必要がないということ。
さいごに追加でお金を支払うリスクがない、これがクローズドエンド方式の一番の特徴です。
リース契約者は毎月決められたリース料金を支払うだけなのでとてもシンプルで分かりやすい契約です。
その代わり月々のリース料金は高くなる傾向にあります。
オープンエンドのメリットとデメリット
メリットはリース料金を低くできること
リース契約者が自由に残価を設定するので、その額に応じて月々のリース料金が決まります。
つまり月々の支払いについてフレキシブルな対応ができます。これがメリット。
また残価をあなた自身が決めるので、それはつまり、あなた自身が月々のリース料金を決めているのと同じです。
なのでリース料金の詳細がオープンで分かりやすいというのもメリットでしょう。
デメリットは残価精算があること
上でも書きましたが、残価は未来の予想価格です。予想よりも高くなることもあれば、予想よりも低くなることもあります。
リース契約の年数が長ければ長いほど予想するのが難しくなります。価格変動のリスクを負わなければいけないことがデメリットです。
またリース契約期間中に、クルマの価値について常に気にしなければいけないというのもデメリットです。
クルマは走行距離が多ければ多いほど価値が落ちます。なので、さいごに残価精算があることを考えれば、とうぜんクルマを積極的に走らせることはできないですよね。
クローズドエンドのメリットとデメリット
メリットは残価精算がないこと
さいごに追加の支払いがないので、価格変動のリスクを負う必要がありません。支払うのは月々のリース料金のみ、シンプルですね。
また残価精算がないので、クルマの価値について気にする必要がありません。つまり設定された走行距離の制限内であれば、積極的にクルマを走らせることができます。
デメリットはリース料金が高めなこと
価格変動のリスクはリース会社が負うので、とうぜんリース料金は高くなります。
残価をリース会社が独自に決めて、それを明らかにしないために月々のリース料金の詳細がクローズで分かりづらいです。
月々のリース料金のうち、リース会社の手数料がいくらなのか不透明なのもデメリットです。
どちらの契約方式を選べばいいのか
月々のリース料金によります。
もし仮にオープンエンド方式のリース契約とクローズドエンド方式のリース契約、まったく同じ条件で契約したとして、2つのリース料金が同じならクローズドエンド方式がおすすめです。
なぜならさいごに残価精算がないので追加で支払うリスクがないからです。
ただ実際にはクローズドエンド方式のリース料金は高いです。なにか特別な割引キャンペーンでもない限りおすすめできません。
各リース会社の公式サイトで見積もり比較してみれば、いかにクローズドエンド方式のリース料金が高いのかが分かります。
残価保証オプションはメリット大
なので個人的におすすめなのは、
オープンエンド方式のリース契約に残価保証オプションをつけることです。
残価保証オプションとは、各リース会社によって名称はちがいますが、設定した残価を保証してくれるオプションです。
たいてい月々に数千円かかる有料オプションですが、このオプションをつけるとさいごに残価精算する必要がありません。
つまり実質的にはクローズドエンド方式のリース契約と同じということ。
大事なことは各リース会社で見積もり比較するときに、オープンエンド方式のリース契約には残価保証オプションをつけて比較することです。
すると契約条件が同じになるので、どこのリース会社が安いのか一目瞭然です。
以下の2点がポイントです。
- 月々のリース料金が安い
- さいごに残価精算がない
マイカーリース契約の注意点
オープンエンド方式の注意点
さいごに残価精算があるのでクルマの価値が落ちないように注意する必要があります。
具体的には走りすぎないようにすること、内外装をキレイな状態でキープすることが必要です。
できることなら青空駐車をさけて定期的に洗車をする必要もあるでしょう。
クローズドエンド方式の注意点
月々のリース料金が割高になるので、支払い総額はいくらなのか理解しておく必要があります。
特に5年以上の長期間のリース契約をするときは支払い総額が大きくなりますので注意です。
場合によってはリースではなくて購入したほうがいい、なんてケースもありえます。
まとめ
オープンエンド方式、クローズドエンド方式それぞれの特徴やメリット・デメリットについて説明しました。
いずれにしても大事なのは以下の2つ。
- 月々のリース料金が安い
- さいごに残価精算がない
リース契約は契約のパターンが何種類もあるし、オプションもいろいろあって複雑です。各リース会社の公式サイトを見ても正直分かりづらいです。
リース契約は長期の契約になります。契約の仕方によって、総支払い金額が何十万円も変わってくることもあります。
にもかかわらず契約内容を途中で変えることは基本的にはできません。だからこそ、どういった契約を選ぶかが重要になってきます。
コメント