
高速使いますか? タクシーに乗るとよく聞かれます。でも正直、高速と下道どっちがいいのか分からない。何を基準に判断すればいいのかな…。
こんな疑問にお答えします。
高速と下道どちらがお得なのかについてや、高速利用をおすすめするケース、下道利用をおすすめするケースなどを解説します。
おもにタクシーに乗り慣れていない人に向けた記事内容となっています。
高速と下道でお得なのは
状況によります。
結論としてはコスパが良いか悪いかで判断するのがいいと思います。
つまりあなたが払ったお金とあなたが受けたサービス、この2つからどちらがお得だったのかを判断するのです。
あなたは何をお得だと感じますか?
これは人によって違うと思います。
一般的にはタクシー料金が少しでも安ければお得だと感じると思います。
ただ人によっては多少料金が高くなったとしても、より早く目的地に着ければお得だなと感じるかもしれませんね。
高速と下道どちらがお得かは、この辺の感じかた次第ということです。
その前提で少し詳しく解説します。
高速利用がお得だと思われるケース
多少料金が高くなってもいいから少しでも早く目的地に着きたいと思うのなら高速をオススメします。
なぜなら下道だとどんなに道が空いていても速度制限があります。高速でも、もちろん制限速度はありますが下道に比べたら大きな差がでます。
目的地まで早く着ければお得に感じますよね。
ただ気をつけてほしいのは、高速利用が常に早いというわけではありません。
高速が渋滞していたり、タクシーに乗った場所から高速入口までが遠い時、同じように高速出口から目的地までが遠いときなどはその分ロスタイムとなります。
結果、高速利用のメリットを活かせないなんてケースもあります。
高速つかったのに時間かかったら意味ないどころか、お金の面と気持ちの面で大きな損ですからね。
その辺の判断は本当に難しいです。
下道利用がお得だと思われるケース
多少時間がかかってもいいから少しでも料金が安いほうがいいと思うのなら下道をオススメします。
なぜなら下道なら大抵の場合目的地まで最短距離で行くことができます。
抜け道を使ったり信号の変わるタイミングを考えて曲がる場所を変えたりすることもできます。高速代もかかりませんしね。
結果、最安で目的地まで行ける場合が多いので料金という点でお得感があります。
ただこれも繰り返しになりますが、下道で行くのが常に安くなるわけではありません。
なぜかというと、タクシーの料金システムは時間距離併用制を採用しているからです。

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ややこしいシステム時間距離併用制
簡単にいうと、走った距離だけじゃなくて停まっている時間が長ければその分料金は高くなりますよっていうシステム。
つまり信号待ちの時間が長い時や渋滞にハマった時には、その分メーター料金はどんどん上がっていきますっていうシステム。
少しややこしい話になりますが、正確にいうと停まっている時間と時速10km以下になった時間です。
つまり例えば事故渋滞などでノロノロ進んでいる状況でも、メーター料金は少しずつ上っていくということ。
お客さんからすると時間はかかるし、料金はあがるしで最悪な状況ですよね。
ちなみに高速道路を走っている間は、時間距離併用制は解除されて走った距離だけでメーター料金が計算されます。
つまり高速道路上では、渋滞にハマったとしても時間経過によるメーター料金は上がらないということです。
余談ですがこの状況はタクシードライバーにとって最悪な状況なんです。なにしろ時間はかかるし料金はあがらないわけですから。無賃労働状態です。
高速をおすすめするケースの具体例

具体的にはどういうときに高速を使えばいいかな?
目的地が遠ければ高速利用
目的地までが遠ければ遠いほど高速利用の価値があります。
なぜなら下道で行くと途中で信号に引っかかったり、渋滞にハマったりで停まっている時間が生じます。この停まっている時間は目的地が遠ければ遠いほど多くなります。
停まってる時間が長ければその分料金も高くなりますしね。
実際にお客さんがタクシーに乗って、下道利用で1時間以上かけて行くというケースは少ないです。
そのくらいの時間がかかる距離なら、たいていのお客さんは高速利用を選択されますね。
目的地が空港なら高速利用
とにかく高速が早いです。
高速利用する際のポイントは2つ。
- 高速道路が渋滞していない
- 乗車場所から高速入口までが近い
東京都心部では首都高速のインターがたくさんあります。
たいていどこからタクシーに乗っても首都高の入口まですぐに行けます。そういった点から基本的には、高速利用の方が早く目的地に着けます。
ただしエリアによっては下道のほうがいいケースも一部あります。例えば大田区とか世田谷区とかから羽田空港へ行くケースです。要は空港までの距離関係ですね。
実際に都心部から羽田空港や成田空港へ行くケース、高速利用と下道利用ではどのような差がでるでしょうか。具体例をあげてみます。
東京駅から羽田空港へ行くケース
- 高速利用 約8,500円 約25分
- 下道利用 約8,000円 約45分
東京駅から成田空港へ行くケース
- 高速利用 約30,000円 約60分
- 下道利用 約28,000円 約160分
※料金はこちらのサイトを参照
羽田空港へ行くケースではそんなに違いがありませんが、成田空港へ行くケースだと大きな差がでます。
何か特別な事情がないかぎり高速利用をおすすめします。
下道をおすすめするケースの具体例

具体的にはどういうときに下道を使えばいいのかな?
インターまで(インターから)距離がある
例えば目的地が
- 練馬、西東京市方面
- 綱島、日吉方面
ほんの1例にすぎませんが、練馬、西東京市、綱島、日吉方面は下道で行くことが多いです。
このエリアはタクシーを利用するお客さんが多いです。実際に行き先としてよくいわれますが、高速を使いづらいエリアです。なぜかというと地図を見ると分かりますが高速道路から離れているからです。
結果として高速利用してもインターから目的地まで距離がロスになります。
そこそこの距離になるのでドライバーとしてはうれしいのですが、同時に長時間の下道走りとなるので正直うれしさ半分といったところでしょうか。
通勤ラッシュや帰宅ラッシュの時間帯
朝の時間帯はほどほどですが、夕方17:00~18:00くらいの首都高は大渋滞しています。こんな時に首都高へ入っては詰みます。
このような時間帯はどんなに急いでいたとしても、さらに目的地が遠くでも下道の一択です。
どうしてもこのような時間帯に高速を利用するなら、道路交通状況をよく確認して渋滞を回避する必要があります。
例えば、これはたまにあるケースですが、
外国人観光客が夕方の17:00頃都心部のホテルからタクシーに乗ってきて、行き先は成田空港といわれたらどうでしょう。
このようなケースは判断が難しいです。
最悪飛行機の出発時間に間に合わないなんて可能性もありますので、そのへんの事情を説明して場合によってはタクシーではなく電車で行くことも考慮してもらいます。
気分がよくないとき
気分がよくないときについてですが、これはシンプルに酔っ払ったお客さんに対する配慮ですね。
首都高はカーブが多いし、坂道のアップダウンも多いです。このような道をハイスピードで走れば、酔っ払って気分のよくないお客さんは車内でリバースなんてことも。
後ろのお客さんが急に…、
私も箱崎JCあたりでやられたこと何度かあります。
こんな苦い経験もあったので、お客さんにそのような傾向が見られたらとりあえず下道をおすすめします。
タクシーはコスパのいい乗り物
ルートの選択は非常に難しいです。
選択を間違うと時間とお金の大きなロスとなります。裏を返せば、道路状況を見極めてお客さんのニーズに合ったルート選択をすればタクシーは大きなパフォーマンスを発揮できます。
お金で時間を買うなんて言葉がありますが、タクシーではそれが可能になります。個人的には、タクシーを利用することの1番のメリットはその点だと思っています。
人生において時間は限りあるものです。あなたの生活にもっとタクシー利用という選択肢を加えてみてはいかがでしょうか。
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